ようこそ、葛尾村へ！わたしは村長の篠木です。と言ってもね、この村では「篠木さん」って呼ばれることは少なくて、「ひろしあんにゃ」って呼ばれています。「あんにゃ」は、お兄さんっていう意味。この村ではね、みんなのことを下の名前で呼ぶことが多いんですよ。例えば、この村には「松本さん」っていう名字の人が多くてね。「松本さん」って呼ぶと、みんなが振り返っちゃう（笑）。だから、下の名前で呼ぶんです。ちなみにお姉さんのことは、「あね」って言いますよ。

わたしは生まれも育ちも葛尾村で、70年、この村にいます。道路が整備されたり、農業の工業化が進んだり、時代が進むにつれて変わったこともたくさんあるけれど、人のあたたかなつながりは、いつまでも変わらない葛尾村のいいところだなあと思います。

「結（ゆい）」と言ってね。昔は、農業をするにも機械がない時代だったから、集落の人たちが集まって、みんなで支え合い、協力しながら田んぼや畑をやっていたんです。今は、機械でやることが多くなってしまったけど、みんなが支え合って暮らす文化は、今もちゃんと続いていますよ。わたしも自分で畑をやっているんだけど、もう、食べきれないくらい野菜をつくっちゃうからね（笑）、いろんな人にあげます。すると、お返しに漬物をくれたり、料理をふるまってくれたりする。地域の結びつきが強いんですよね。

最近はうれしいことに、移住する人が増えていてね。新しくアパートを建てたり、家族で暮らしやすい制度を整えたり、いろんな人に来てもらえる環境をつくっているところ。ここは見渡すかぎり山に囲まれていて、空気も澄んでいるから、自然ゆたかな場所でのんびり暮らしたい人にはおすすめです。

ちょっとでも葛尾が気に入ってくれたら、いつでも葛尾に帰ってきてください。「こんにちは！」「おかえり！」って、村のみんなで待っています。